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堀とは?水堀・空堀の違いとお城での見どころをわかりやすく解説

堀とは?水堀・空堀の違いとお城での見どころをわかりやすく解説する基礎講座のアイキャッチ 水堀と空堀を備えた城の構造イラストを用いて 堀の役割や違いを紹介している

お城のほりと聞くと、天守のまわりに水が張られた大きな堀を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

ところが、お城の堀には水が入っていないものもあります。

特に山城では、深く掘り込まれた空堀が重要な防御施設として使われました。

結論からいうと、堀とは、敵の移動を妨げ、お城や曲輪へ簡単に近づけないようにするための防御施設です。

敵を落とすためだけの穴ではありません。

敵の勢いを止めたり、進める方向を限定したり、守る側が攻撃しやすい場所へ誘導したりする役割があります。

この記事でわかること
  • お城の堀がどのような施設なのか
  • 水堀と空堀にどのような違いがあるのか
  • 堀切・竪堀・横堀とは何か
  • 曲輪・虎口・馬出と堀の関係
  • 現地で堀のどこを見れば面白いのか

この記事では、堀の種類を暗記することよりも、敵をどこで止め、どこへ進ませようとしているのかという見方を中心に解説します。

堀とは?

この章のポイント
  • 堀は敵の移動を妨げるために掘られた防御施設
  • 水が入っていない堀もある
  • 曲輪を区切り、虎口や馬出を守る役割もある

堀とは何かを示す基本図 城外から進む敵が堀に遮られ 土橋と虎口を通って曲輪へ入る構造を示している

ほりとは、地面を掘り下げてつくられた、お城の防御施設です。

お城の外周だけでなく、曲輪と曲輪の間、虎口の前、山城の尾根や斜面などにも築かれました。

堀があると、敵はそのまままっすぐ進めません。

いったん立ち止まって堀を越えたり、橋や土橋など限られた通路へ向かったりする必要があります。

つまり、堀は次のような働きを持つ施設です。

堀の働き 敵に起きること
進路を遮る まっすぐ城内へ進めなくなる
勢いを止める 堀を越えるために移動速度が落ちる
通路を限定する 橋や虎口へ進まざるを得なくなる
曲輪を区切る 次の曲輪へ簡単に移動できなくなる
高低差をつくる 堀底から曲輪へ登りにくくなる

堀を掘ったときに出た土を、すぐ隣の土塁に利用することもありました。

堀を掘って低い場所をつくり、その土を盛って高い場所をつくれば、ひとつの土木工事で大きな高低差を生み出せます。

堀の内側には、土を盛った土塁が築かれることがあります。

堀の深さと土塁の高さを組み合わせることで、敵から見ればさらに大きな高低差が生まれました。

土塁とは?お城を守る土の壁の役割と見どころをわかりやすく解説

石垣や立派な門が残っていない城跡でも、堀と斜面を見ることで、かつての守りを感じられることがあります。

🏯 現地で見るポイント

  • 曲輪と曲輪の間に、低く掘り下げられた場所がないか
  • 城の周囲に、溝や谷のような地形が続いていないか
  • 堀の向こう側に土塁や石垣がないか
  • 現在の道路や遊歩道が、かつての堀跡ではないか
  • 堀を越えられる場所が、どこに限られているか

現在の道がすべて堀跡というわけではありません。

案内板や縄張図と見比べながら、「ここは人工的に掘られた場所なのか」を考えてみましょう。

堀にはどんな役割がある?

この章のポイント
  • 堀は敵を落とすためだけの穴ではない
  • 敵の進路を止め、曲げ、狭める
  • 守る側が攻撃しやすい場所へ敵を誘導する

堀の大切な役割は、敵の動きをコントロールすることです。

たとえば、曲輪の正面すべてを堀で遮り、一か所だけ橋を架けたとします。

敵は橋へ向かわなければ、曲輪へ入りにくくなります。

その橋の先に門や虎口を設ければ、守る側は敵が近づいてくる場所を予想しやすくなります。

さらに、敵が堀の底へ降りたり、急な斜面を登ったりしている間は、動きが遅くなります。

守る側は、曲輪や土塁の上から敵を攻撃しやすくなります。

堀は単独で働くのではありません。

  • 堀で敵を止める
  • 橋へ進路を限定する
  • 虎口や門へ誘導する
  • 土塁や石垣の上から攻撃する
  • 次の曲輪へ簡単に進ませない

このように、堀・曲輪・虎口・門・土塁・石垣などが組み合わさることで、お城全体の防御線がつくられていました。

🏯 現地で見るポイント

  • 敵がどの方向から進んできたのか想像する
  • 堀によって進路がどちらへ曲げられるかを見る
  • 堀を越えた先に、虎口や門があるか確認する
  • 堀底や斜面にいる敵が、上や横から狙われないか考える
  • 堀が城全体のどこまで続いているかを見る

ポイントは、堀の深さだけを見るのではなく、堀によって敵の動きがどう変わるかを見ることです。

水堀と空堀の違い

この章のポイント
  • 水堀は水が張られた堀
  • 空堀は水を入れず、深さと斜面で敵を止める堀
  • 水の有無が違うだけで、どちらも重要な防御施設

水堀と空堀の違いを比較した図 水堀は水で敵の接近を防ぎ 空堀は深い掘り込みと急斜面で敵の移動を妨げることを示している

水堀と空堀の大きな違いは、堀の中に水があるかどうかです。

種類 特徴 見られやすい城 現地で見るポイント
水堀 水が張られた堀 平城・平山城など 幅、橋、門、石垣との関係
空堀 水を入れない掘り込み 山城・平山城など 深さ、斜面、曲輪との高低差

ただし、空堀は水がないから防御力が低い、というわけではありません

深く掘られた空堀や、斜面が急な空堀は、敵が底へ降りたあと反対側へ登ることが難しくなります。

山上や尾根上など、水をためにくい場所でも築けることも空堀の特徴です。

一つのお城の中で、場所に応じて水堀と空堀を使い分ける場合もあります。

また、現在水が入っている堀が、築城当時から水堀だったとは限りません。

反対に、かつて水があった堀が、埋め立てや排水によって現在は空堀のように見える場合もあります。

今の水の有無だけで、当時の状態を決めつけないことが大切です。

水堀と空堀には、水の有無だけでなく、敵を止める仕組み、築かれやすい地形、つくり方や維持管理にも違いがあります。

また、「水堀のほうが空堀より強いのか」「現地ではどう見分ければよいのか」という疑問については、次の記事で詳しく比較しています。

空堀と水堀の違いとは?役割・つくり方・現地での見分け方をわかりやすく解説

水堀とは?

水堀みずぼりとは、水が張られた堀です。

川・湖・湿地・地下水など、その土地の水環境を利用してつくられることもあります。

水があることで、敵は徒歩で簡単に渡れません。

橋や土橋を通らなければ城内へ入りにくくなるため、敵が進める場所を限定できます。

橋の先に虎口や門を設ければ、入口の守りをさらに固められます。

水堀はお城全体を完全に囲んでいるとは限りません。

川や崖などの自然地形で守られている方向には堀を設けず、守りが必要な方向だけに水堀を築くこともあります。

現在では、水面に映る天守や石垣が美しい景観をつくっていますが、本来は敵の接近を防ぐための防御施設です。

水堀のなかには、海とつながり、海水を取り込んでいたものもあります。

海水堀や舟入、水手門などを備えた海城の特徴については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

海城とは?海に面したお城の特徴と見どころをわかりやすく解説

水堀のなかには、川や湧水だけでなく、海水を取り込んだものもあります。

高松城では現在も海水が堀へ入り、クロダイなどの海水魚が泳ぐ様子を確認できます。

海水堀が残る高松城の見どころを現地写真で紹介

🏯 現地で見るポイント

  • 水堀の幅はどれくらいあるか
  • 橋がどこに架かっているか
  • 橋の正面に門があるか
  • 橋を渡ったあと、道がまっすぐか曲がっているか
  • 対岸の石垣や土塁がどれくらい高く見えるか
  • 水がどこから入り、どこへ流れていくのか

現在の水位や堀幅が、築城当時と同じとは限らないことも覚えておきましょう。

空堀とは?

空堀からぼりとは、水を張らず、深さや急な斜面によって敵の移動を妨げる堀です。

山城では、尾根や斜面、曲輪の周囲を掘ってつくられました。

敵が空堀の底へ降りると、次は反対側の急斜面を登らなければなりません。

そのため、見た目以上に移動が難しくなります。

堀の上にいる守備側から見れば、堀底で動きが遅くなった敵を狙いやすくなることも重要です。

空堀の底が、城兵の移動路として使われる場合もあります。

現在の空堀は、長い年月のあいだに土砂や落ち葉がたまり、築城当時より浅く見えることがあります。

斜面の崩落や後世の整備によって、形が変わっている場合もあります。

自然の谷や窪地と見分けにくい場所では、案内板や縄張図を確認しましょう。

🏯 現地で見るポイント

  • 堀底だけでなく、両側の斜面を見る
  • 底へ降りたあと、反対側へ登れそうか想像する
  • 堀がどの曲輪を区切っているか確認する
  • 堀の幅と曲輪との高低差を見る
  • 人工的に切られたような直線や曲線がないか探す
  • 落ち葉や土砂で埋まっている可能性を考える

空堀では、現在見えている深さだけで判断せず、本来はさらに深かった可能性も考えてみましょう。

山城で見られる堀切・竪堀・横堀

この章のポイント
  • 山城では地形に合わせて堀の向きが変わる
  • 尾根を横断して切るのが堀切
  • 斜面を縦方向へ下るのが竪堀

堀切・竪堀・横堀の位置関係を示した図 山城の尾根を断ち切る堀切 斜面を縦に下る竪堀 曲輪や斜面に沿って延びる横堀の配置をわかりやすく示している

山城では、水をためた水堀よりも、山の地形を切り崩してつくられた空堀が大きな役割を果たします。

代表的なものが、堀切・竪堀・横堀です。

種類 どこに掘られるか 主な役割
堀切 尾根を横断するように掘る 尾根伝いの侵入を止める
竪堀 斜面を縦方向に掘る 敵が斜面を横移動するのを妨げる
横堀 曲輪や斜面に沿って掘る 曲輪への接近を防ぎ、進路を限定する

堀切

堀切ほりきりは、細長く続く尾根を横断するように掘った堀です。

山の尾根は比較的歩きやすいため、攻める側の侵入路になりやすい場所です。

そこで尾根を深く切り下げ、敵がそのまま進めないようにしました。

尾根道を歩いていて、急に大きく下ってから登り返す地形があれば、堀切の可能性があります。

竪堀

竪堀たてぼりは、山の斜面を上から下へ延びるように掘った堀です。

斜面を登る敵は、歩きやすい場所を探して横方向へ移動しようとします。

竪堀によって斜面が分断されていると、敵は自由に横移動しにくくなります。

横堀

横堀は、曲輪の周囲や山の斜面に沿うように延びる堀です。

曲輪へ直接近づくことを防いだり、敵を特定の入口へ誘導したりします。

堀の上に土塁や曲輪があると、堀底を進む敵を上から監視しやすくなります。

🏯 現地で見るポイント

  • 尾根道が突然低く切られていないか
  • 斜面に縦方向の溝が続いていないか
  • 曲輪の周囲に沿って堀が延びていないか
  • 堀が一重か、複数並んでいるか
  • 敵が尾根や斜面を進む場合、どこで止められるか

山城では、足元の溝だけを見るのではなく、尾根・斜面・曲輪をまとめて見ることがポイントです。

堀の断面と堀底の形にも注目しよう

この章のポイント
  • 堀は上から見た形だけでなく、横から見た断面にも違いがある
  • 底の広さや斜面の角度で越えにくさが変わる
  • 細かな名称より、底と斜面を見ることが大切

堀には、横から見た断面の形による呼び分けもあります。

初心者がまず覚えておきたいのは、薬研堀と箱堀です。

種類 断面の特徴 敵から見た難しさ
薬研堀 底が狭く、V字形に近い 底で動きにくく、斜面を登りにくい
箱堀 底が比較的平らで広い 底へ降りたあとも高い斜面が立ちはだかる

薬研堀やげんぼりは、薬を細かくする道具である薬研のように、底が狭く見える堀です。

箱堀はこぼりは、底が比較的平らで、箱のような断面を持つ堀です。

ほかにも毛抜堀などの呼び方がありますが、最初からすべて暗記する必要はありません。

現地では、次の二点を見るだけでも堀の防御力を想像しやすくなります。

  1. 堀底は狭いか、広いか
  2. 両側の斜面は急か、緩やかか

現在の断面は、崩落や土砂の堆積によって変わっている場合があります。

案内板に断面図があれば、目の前の地形と見比べてみましょう。

障子堀・畝堀とは?

堀の底を平らにせず、土の仕切りを残した堀もあります。

障子堀しょうじぼりは、堀底に土の仕切りや区画が残され、上から見ると障子の桟のように見える堀です。

畝堀うねぼりは、堀底に畑の畝のような土の高まりを残した堀です。

仕切りがあることで、堀へ降りた敵は横方向へ自由に移動しにくくなります。

ただし、障子堀と畝堀の呼び方や分類には幅があります。

形だけを見て単純に区別するよりも、堀底の仕切りが敵の移動をどのように妨げるのかを見ることが大切です。

山中城は、障子堀や畝堀を観察できる代表的な城として知られています。

🏯 現地で見るポイント

  • 堀底が狭いか、広いか
  • 両側の斜面が急か
  • 堀底に土の仕切りが残っているか
  • 仕切りによって、どの方向への移動が難しくなるか
  • 復元や整備が行われた範囲か、案内板で確認する

曲輪・虎口・馬出と堀の関係

この章のポイント
  • 堀は単独で見るより、周囲の施設と一緒に見ると面白い
  • 曲輪を区切り、虎口や馬出を守る
  • 敵が進む順番をコントロールする

曲輪・堀・虎口・馬出の関係を示した図 城外から進む敵が堀と馬出を越え 虎口を通って曲輪へ近づく防御の流れを示している

堀を見るときは、堀だけに注目するのではなく、堀の内側と、その先にある施設を確認してみましょう。

たとえば、次のような組み合わせがあります。

  1. 堀で曲輪の周囲を区切る
  2. 橋や土橋だけを通れるようにする
  3. 橋の先に虎口や門を置く
  4. 虎口の前に馬出を設ける
  5. 馬出の周囲も堀で囲む

敵は、堀・橋・馬出・虎口・門を順番に突破しなければ、中心の曲輪へ近づけません。

曲輪は、お城の中につくられた区画です。

堀は、その曲輪同士を分け、簡単に行き来できないようにします。

虎口は、曲輪への入口です。

周囲を堀で遮り、入口へ向かう道だけを残すことで、敵の進路を虎口へ限定できます。

馬出は、虎口の前に設けられた小さな防御区画です。

馬出の周囲にも堀を設けることで、敵が馬出や虎口へ自由に近づくことを防ぎました。

つまり、堀は単なる城の境界ではありません。

敵を止め、曲げ、狭い入口へ誘導するための縄張の一部です。

🏯 現地で見るポイント

  • 堀の内側にはどの曲輪があるか
  • 堀を渡れる場所はどこに限られているか
  • 橋の先に虎口や門があるか
  • 馬出の周囲を堀が囲んでいるか
  • 敵がどの順番で施設を突破する必要があるか
  • 堀と土塁を合わせて、どれほどの高低差があるか

「この堀の先には何があるのか」を見ると、お城の守りが一本の流れとして見えてきます。

山城・平山城・平城で堀はどう違う?

この章のポイント
  • 山城では地形を切る空堀が目立つ
  • 平山城では水堀と空堀を使い分けることがある
  • 平城では幅の広い水堀や大規模な空堀も見られる

城の立地によって、見られやすい堀の形も変わります。

城の種類 見られやすい堀 見るポイント
山城 空堀・堀切・竪堀・横堀 尾根や斜面をどう遮っているか
平山城 水堀・空堀・横堀 高低差、石垣、虎口との関係
平城 水堀・大規模な空堀 幅、橋、門、曲輪の区画

山城では、尾根や斜面を加工した空堀が重要になります。

平山城では、丘陵部分の空堀と、平地部分の水堀を組み合わせることがあります。

平城では、平らな土地で敵の進路を遮るため、幅の広い水堀や大規模な空堀が築かれることがあります。

ただし、これはあくまで傾向です。

山城に水堀がまったくない、平城には空堀がない、と決めつけることはできません。

堀の形は、その土地の地形、水の確保、築城時期、お城の役割によって変わります。

🏯 現地で見るポイント

  • 城の立地と堀の形がどのように結びついているか
  • 自然地形を利用しているか、人工的に掘られているか
  • 水を確保しやすい場所か
  • 尾根や斜面を遮るための堀か
  • 曲輪や城下町との境界になっているか

代表的なお城で堀を見る

堀の見方を理解したら、実際のお城で見比べてみましょう。

お城 注目したい堀 何を見るお城か
武田氏館 館を囲む堀 堀・土塁・虎口を組み合わせた館の守り
春日山城 山中の空堀や堀状地形 曲輪や尾根をどう区切っているか
小田原城 水堀と総構の空堀 城内の水堀と城下を囲む大規模な防御線
山中城 障子堀・畝堀 堀底でも敵の移動を制限する工夫

武田氏館

武田氏館では、館を囲む堀と土塁に注目してみましょう。

現在の武田神社だけを見るのではなく、堀の内側にどのような曲輪があり、入口がどこに限られていたのかを見ると、戦国大名の館が持つ防御性を感じられます。

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春日山城

春日山城では、山の斜面に並ぶ曲輪と、その間を区切る地形に注目してみましょう。

山城の堀は、平城の水堀のようにひと目でわかるとは限りません。

縄張図を見ながら、尾根道や曲輪の間にある低い場所を確認するのがおすすめです。

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小田原城

小田原城では、城址公園の水堀だけでなく、後北条氏時代の総構に残る大規模な空堀や土塁も重要な見どころです。

同じお城の中でも、水堀と空堀が異なる場所で使われていることを実感できます。

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山中城

山中城では、障子堀や畝堀が大きな見どころです。

堀の底へ降りた敵が、横方向へ自由に移動できないようにする工夫を観察できます。

復元・整備された部分もあるため、現地の案内板を確認しながら見学しましょう。

堀を見るときのチェックリスト

堀を見るときの基本
  • 最初に、堀が守っている曲輪を確認する
  • 次に、敵がどこから進んでくるか想像する
  • 最後に、橋・虎口・馬出・土塁との関係を見る

堀を見るときのチェックリスト 水堀や空堀などの種類 堀が守る曲輪 虎口や馬出との関係 幅や深さ 地形 保存状態を確認するポイントをまとめた図

お城で堀を見つけたら、次の項目を確認してみましょう。

  • 水堀か空堀か
  • どの曲輪を守っているか
  • 幅と深さはどれくらいに見えるか
  • 両側の斜面は急か
  • 堀がどの方向へ延びているか
  • 橋や土橋はどこにあるか
  • 橋の先に虎口や門があるか
  • 土塁や石垣と組み合わされているか
  • 敵の進路をどこへ誘導しているか
  • 案内板や縄張図と現地を見比べたか

すべてを一度に確認する必要はありません。

まずは、次の三段階で見るとわかりやすくなります。

  1. 何を守る堀なのか
  2. 敵をどこで止めるのか
  3. 敵をどこへ進ませるのか

深い、広いという見た目だけでなく、敵の動線を変える働きに注目すると、堀の面白さが見えてきます。

🏯 現地で見るポイント

  • 堀だけでなく、内側の曲輪も確認する
  • 城外から城内へ向かう順番で歩く
  • 橋・虎口・馬出・土塁を一緒に見る
  • 現在の道や斜面が後世に改変されていないか確認する
  • 写真を撮るときは、堀底だけでなく両側の高低差も入れる

堀と縄張・普請・作事の関係

この章のポイント
  • 縄張で堀の位置と役割を決める
  • 普請で実際に地面を掘る
  • 作事で橋・門・塀などを築く

お城づくりは、縄張・普請・作事という流れで見ると理解しやすくなります。

段階 堀との関係
縄張 どの曲輪を守り、敵をどこへ誘導するか設計する
普請 地面を掘って堀をつくり、土塁や石垣などを築く
作事 堀に架かる橋や、その先の門・塀・櫓などを築く

縄張では、堀をどこに配置し、敵をどの方向へ進ませるのかを考えます。

普請では、実際に地面を掘って堀をつくります。

掘り出した土を利用して、土塁を築くこともありました。

作事では、橋・門・塀・櫓などの建物を設けます。

つまり、堀は縄張で考えた防御の狙いを、普請によって地形として形にした施設です。

橋や門まで含めて見ると、作事とのつながりも見えてきます。

🏯 現地で見るポイント

  • 堀の位置から縄張の意図を考える
  • 堀の土が近くの土塁に使われていないか想像する
  • 橋や門を含めて、入口全体を見る
  • 地形と建物がどのように組み合わされているか確認する

まとめ|堀では敵をどこで止めるのかを見よう

堀とは、敵の移動を妨げ、お城や曲輪へ簡単に近づけないようにするための防御施設です。

最後に、この記事のポイントを振り返ります。

  • 堀には、水を張った水堀と、水を入れない空堀がある
  • 空堀も、深さと急な斜面によって高い防御力を持つ
  • 堀は敵を止めるだけでなく、進路を曲げたり限定したりする
  • 山城では、堀切・竪堀・横堀が重要な見どころになる
  • 堀は曲輪・虎口・馬出・土塁・石垣と一緒に見ると面白い
  • 現在の水量や深さが、築城当時と同じとは限らない

現地では、堀の大きさだけを見るのではなく、次のように考えてみてください。

敵はどこから来て、この堀でどこに止められ、次にどこへ進まされるのか。

その動線を想像すると、ただの溝や窪地に見えていた堀が、お城の守りを支える重要な施設に見えてきます。

堀の次は、堀を掘った土から築かれることも多い「土塁」を見ると、お城の高低差がさらに理解しやすくなります。

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